Column
2026/09/08
企業法務
ロゴやWebサイト、システム開発などを外注しても、契約書に定めがなければ著作権は発注企業ではなく受託者側に残ることをご存じでしょうか。本記事では、御社が外注時に締結すべき著作権譲渡条項の書き方と実務上の注意点を解説します。
デザイン会社やフリーランスのエンジニア・デザイナーに制作を依頼した場合、著作権法上、著作物を創作した人(受託者)が著作権者となるのが原則です。発注企業が費用を支払って完成させたものであっても、契約書で著作権の帰属を定めていなければ、権利は自動的には発注企業に移転しません。
この点は、社内の従業員が業務として制作した「職務著作」とは扱いが異なります。職務著作であれば会社が著作者となりますが、外部の受託者に発注する場合はこの規定が適用されないため、御社が自由に成果物を使い続けられる保証はないのです。
著作権の帰属を契約書で明確にしていないことで、発注企業には次のようなトラブルが生じます。
これらは、発注時には気づきにくく、後になって事業展開の支障として顕在化する点が特徴です。
著作権を発注企業に移転させるためには、契約書に明示的な譲渡条項を設ける必要があります。特に注意すべきなのが著作権法27条・28条の規定です。
これらの条文が定める翻案権(改変・アレンジする権利)や二次的著作物の利用に関する権利は、契約書に「著作権法27条及び28条に定める権利を含む」と明記しない限り、譲渡した側(受託者)に留保されるものと扱われます。単に「著作権を譲渡する」とだけ書いた契約書では、御社がデザインを改変したり、システムを機能追加したりする権利まではカバーされない可能性があるのです。
また、著作権とは別に「著作者人格権」という権利があり、これは譲渡できない性質のものです。受託者が後から「無断で改変された」と主張することを防ぐため、著作者人格権を行使しない旨の特約(不行使特約)もあわせて定めておく必要があります。
御社が外注契約書を作成・見直す際は、以下の要素を漏れなく盛り込むことをおすすめします。
契約書のひな形をそのまま使い回していると、こうした条項が抜け落ちていることも少なくありません。契約書の作成・見直しでお困りの場合は、企業法務を専門とする弁護士へのご相談をおすすめします。法律事務所LeONEでは、発注者側の実務に即した契約書レビューをご提案しています。
実際に外注を行う際は、以下の点を確認しておくと著作権トラブルの予防につながります。
特に複数の外注先と継続的に取引がある企業では、契約書のひな形を横断的に点検することが有効です。個別の契約内容についてご不明な点がある場合は、無料相談のお問い合わせからご相談いただけます。
外注した成果物の著作権は、契約書で明確に定めない限り受託者側に残るのが原則です。御社が成果物を自由に活用し、将来の改変や他社への改修依頼にも対応できるようにするためには、著作権法27条・28条を踏まえた譲渡条項と著作者人格権の不行使特約を契約書に盛り込むことが欠かせません。
既存の外注契約書を一度も見直したことがないという企業も少なくありません。この機会に、御社の契約書が実務に即した内容になっているか点検することをおすすめします。契約書の見直しについては、担当弁護士のご紹介ページから、企業法務を専門とする弁護士にご相談ください。