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2026/08/27
取適法
フリーランス新法(特定受託事業者取引適正化法)の施行により、発注企業には契約書の明示事項や60日以内の支払期日など新たな義務が課されました。本記事では発注企業が今すぐ整えるべき契約書・発注書の実務対応を解説します。
フリーランス新法は、正式名称を「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」といい、2024年11月に施行されました。従業員を使用せずに業務を行う個人(特定受託事業者)に業務を委託する事業者を対象とし、資本金の額や規模を問わず適用される点が下請法と大きく異なります。つまり、これまで下請法の対象外だった小規模な発注企業であっても、フリーランスに業務を委託している限り、フリーランス新法の義務を負う可能性があるということです。
「うちは大企業ではないから関係ない」という認識のまま契約書や発注実務を見直していない発注企業は少なくありません。しかし対象となる取引かどうかは企業規模ではなく、委託先が個人事業主(フリーランス)であるかどうかで判断されます。まずは自社が日常的に外注しているデザイナー、エンジニア、ライター、コンサルタントなどとの取引が、この法律の対象に該当していないかを確認することが第一歩です。
フリーランス新法により発注企業に課される義務は多岐にわたります。契約書の見直しに着手する前に、まずは義務の全体像を把握しておく必要があります。
これらの義務は、発注企業の担当部署が契約書のひな形や発注フローを見直さない限り、実務の中で見落とされがちです。次章では、契約書・発注書に具体的にどのような項目を追記すべきかを解説します。
フリーランス新法第3条は、業務委託をした際に一定の事項を書面または電磁的方法(メール等)により明示することを求めています。発注企業としては、既存の契約書・発注書のフォーマットに以下の項目が漏れなく記載されているかを確認する必要があります。
特に注意したいのは、口頭発注や簡易なメールのやり取りのみで業務を進めているケースです。契約書自体は簡潔なものであっても構いませんが、上記の必須項目が抜け落ちていると法律違反となるおそれがあります。契約書の作成・見直しでお困りの場合は、企業法務を専門とする弁護士へのご相談をおすすめします。法律事務所LeONEでは、発注者側の実務に即した契約書のチェック・整備をご支援しています。
契約書のひな形を整備するだけでは不十分です。発注企業が実務上リスクを避けるためには、業務委託の各段階で社内フローを見直す必要があります。
発注担当者が口頭やチャットのみで業務を依頼してしまうと、書面明示義務を満たせません。発注時に自動的に必須項目を含む発注書が生成される仕組み(発注管理システムやテンプレートの活用)を整えることが有効です。
給付を受領した日から60日以内という支払期日の起算点を正確に管理するためには、検収日・受領日を記録する仕組みが不可欠です。経理部門と業務委託の発注部門が連携し、支払漏れや遅延が発生しない体制を構築する必要があります。
また、継続的な業務委託契約を締結している場合は、育児・介護等への配慮やハラスメント相談窓口の整備も求められます。既存の就業規則や社内規程を、フリーランスとの取引にも対応できる内容に更新しておくことが望ましいでしょう。実務対応の具体的な進め方について相談したい場合は、無料相談のお問い合わせから気軽にご連絡ください。
フリーランス新法に違反した場合、公正取引委員会や中小企業庁などの主務大臣による報告徴収、助言、指導、勧告が行われる可能性があります。さらに、勧告に従わない場合には企業名が公表されることもあり、これは取引先や採用市場における信用低下に直結します。
下請法と異なり、フリーランス新法は企業規模を問わず適用されるため、「自社は下請法の対象外だから安心」という従来の認識のままでは対応漏れが生じるリスクがあります。特に近年はフリーランスとして働く人材が増加しており、外部の専門人材を積極的に活用している企業ほど、契約書・発注実務の総点検が急務といえます。
フリーランス新法への対応は、以下の3つのステップで進めることをおすすめします。
契約書の見直しや社内体制の整備は、自社だけで進めると見落としが生じやすい分野です。フリーランス新法対応を含めた企業法務全般について相談できる専門家をお探しの場合は、担当弁護士のご紹介ページもあわせてご覧ください。早めの対応が、将来的な行政指導や信用低下のリスクを避ける最も確実な方法です。